戦闘力
ちょっと書きたくなる事があったので、短い小説のようなものですが、まずこれを読んでみてください。
『俺とこいつは以前から馬が合わなかった。
いつも突っ掛かってくるくせに、こいつは根っからの小心者で、だいたいが俺の相手をするのには全くの役不足だ。
今日も突っ掛かってきたのだが、生憎今日の俺は機嫌が悪い。
楽しみにとっておいたていたプリンが失くなっていたのだ。
そんな俺の機嫌の悪さがこいつにも伝染したのか、いきなりちょっかいを掛けてきた。
しかし俺は無視を決め込んでいた。阿呆の相手などしていられない。
無視されたのが効いたのか、こいつはいきなり俺に殴りかかってきた。
鈍い動きだ。
どこを狙っているのか簡単にわかる。これだから素人というやつは。
所詮素人、俺はこいつの大振りの拳を小さな動きでかわし、側頭部に蹴りをお見舞いしてやった。ハイキックというやつだ。
バコンという小気味良い音と共に、奴は簡単に吹き飛び、そのまま意識を失った。』
こんばんは、コーチ兼管理人のRoadです。
空手道場少年の部。
コーチを勤めるようになり、小学生相手に空手を教え始めました。
最初はどうすればいいのか分からなかったものの、何とかコツは掴めてきました。
相手は小学一年生が一番多く、そしてこれは俺としても意外でしたが、割と素直に言うことを聞きます。
そのチビッコ空手家の中でも最年少の祐人(仮名)といいう幼稚園児がいます。
この祐人、かなりの素質があるのでしょう。飲み込みも早く、幼稚園児のくせに技の切れはピカイチです。
その祐人のお母さんから、今日俺の携帯に電話が掛かってきました。
俺がコーチをする事が決まってから、俺の携帯番号は全ての親御さんに教えてあります。
急の電話だったので、なにかな?と思いましたが、取り敢えず話しました。
祐人のお母さん「ヒロユキ先生。実はうちの祐人が、幼稚園でお友達の顔を蹴ったんです。」
祐人、やってくれました。幼稚園児の喧嘩で上段回し蹴りを放ったそうです。
気絶する喧嘩相手と、美しく決まったハイキックに慌てふためく新人保育士さん。
頭を蹴られた園児は病院で運ばれて検査を受け、幼稚園は一時騒然となったらしい。
さすが期待の新人。期待以上の話題を提供してくれました。
それにしても、産まれてから五年も経ってない幼稚園児が頭に蹴りを喰らい気絶する気分というのは、一体これからの人生にどれだけの影響を残すのか、気になる所です。
*空手は悪用してはいけませんね。
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