必殺技
ジムの指導員をしていた頃、 ジムの館長の知り合いがやっているプロレスを見に行った。 とあるフリーマーケット会場の一角。 ここにリングが張られた。 かなりマイナーな団体らしいが、 そこの選手兼会長と俺の働くジムの館長が知り合いらしい。 実況が現れ、選手が現れる。 はい、普通のおじさんでした。 しかも二人とも土木焼け丸出し。 シャツの跡がきっちりついてます。 カン! 試合開始。 ……あまりに詰まらなかったので割愛。 実況「今日のメインエベントです〜!」 二試合目でいきなりメインだそうです。 青コーナーから選手紹介です。 マスクをした選手が出てきた。 実況「地球人殲滅計画、 ダダドスミル〜!」 実況「ダダドスミルは●▲星雲から来た謎の宇宙人です。 それに対するは、赤コーナー、我等のヒーロー、 SG○世界チャンピオン、○○○ラマンロビ〜ン!」 慌ててパンフを見る。 ○○○ラマンロビンは唯一の円△プロ公認レスラーらしい。 しかも館長の知り合いだ。 実況「ではここで、今回のスポンサーである○×ジム館長、 W(仮名)氏による花束贈呈です。」 おもむろにリングに上がるジムの館長。 なんか、ダダドスミルよりも、○○○ラマンロビンよりもデカイんですが…。 ダダドスミルは身長165、体重60程度の痩せ型。 ○○○ラマンロビンは身長170、体重80程度のおっさん体型、デブだ。 そしてジムの館長、身長175、体重110のマッチョ。全てが筋肉だ。 ダダドスミルはこの人を倒さなければ地球人殲滅は出来ないだろう。 恐らくリング上で最強の、館長による花束が贈呈され、ここでゴングが鳴る。 カン! 先に仕掛けたのはダダドスミル。 ロビンに対していきなりドロップキック。 当たってないのに吹っ飛ぶロビン。 そのままダダドスミルのアキレス腱固め。 ロビン、なんとか脱出。 懐から鎖を出し、拳に巻き付けるダダドスミル。 それでロビンを殴る。殴る。殴る。殴る。ただし当たっていない。 実況「お〜っと、ロビンピンチだぁ〜!」 実況通りグロッキー状態のロビン。何故だ? 実況「皆さん、ロビンに応援を!」 投げやりに飛ばされるロビンコール。 それに応えたのか、いきなり元気になるロビン。 と、ここで謎のポーズを取るロビン。 実況「おお〜っと、ロビンの必殺技○○○ウム光線だ! ダダドスミルダウン! ロビンがフォールに入る! 1!2!3!○○○ラマンロビンの勝利だ!」 かくしてこのしょっぱい試合は終わった。 どうやらこれはプロレスではなく、 ○○○ラマンロビンショーだったらしい。 試合後、ロビンは握手会を開いたが、誰も来なかったという。 *この話はフィクションであり、 実在の団体、個人とは全く関係ありません。
後日談 H.N.とおりすがりさんから、 団体名が違うという事で指摘頂きました。ありがとうございます。 しかしよく知ってましたね?
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