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愚弟
昨夜事件が起こった。うちの弟が家に帰ってきた。
普段はどこに潜んでいるのか、弟は家には滅多に帰ってこない。
今回は三ヶ月ぶりに帰ってきた。かなり短い。
下手をすると半年帰ってこないから。
一応高校には通っているようだが、もう三年なのにこれだ。
おそらく将来は、俺のバイト先の常連になるだろう。
で、昨夜。
帰ってきた愚弟は何も家族に声もかけず、二階の自分の部屋に入って行った。
弟の部屋は同じ二階にある俺の部屋よりもふたまわり広い。正直憎い。
部屋に入った弟。その部屋からは大音量でモーニング娘。が流れてくるが、
いつもの事なので気にせずに、俺は部屋でくつろいでいた。
すると、
弟「ああぁぁ〜」
素敵な美声が聞こえてきました。
駆け上がってくる親父。
それを追いかけて覗く俺。
愚弟、トリップしてました。
とてもいいのがキマッた表情してました。
*薬物はやめましょう
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消火
弟関連の話。
去年の夏、まだ 夏休みに入っていなかった頃。
俺はいつも朝、六時半に起きて大学に行く。
その日、親は仕事が休みだったので、俺が一番に外に出た。
すると、玄関を出てすぐ気付いた。地面が白く染まっている。
「雪か?」
夏なのにそんな事はあるはずもなく、門の前に行くと、消火器が落ちていた。
玄関に、消火器ぶちまけられた。
*後で分かった事には、弟の揉め事関連だったらしい。
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愚弟2
うちの愚弟の話を再び。
愚弟、文字通り愚かな行為をしました。
奴め、再び飛んじゃいました。
先程警察から電話がありました。かなりやってくれます。
原付で飛んだそうです。
現在、頭蓋骨骨折に蜘蛛膜下出血。
本気でお空にイッちゃいそうです。
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峠
事故って現在、集中治療室のマイブラザー。
面会謝絶でしたが、一応見舞いに。
ヤバイとしか医者は言いませんが、責めるつもりはないので黙って聞いていた。
病院から帰り、おもむろにPCを立ち上げる俺。
さぁ、いない人間は忘れてチャットにGO!
最近よく出入りする部屋で、濃ゆい人がいっぱいです。
素晴らしい。
楽しく会話をしていると、医者から電話が。ちょっとびびった。
愚弟が違う世界にトリップしたのかと思いました。
医者「峠は越えました。もう命の心配はありません」
うんうん。あんたはよくやったよ。
医者「ただ、後遺症が残るかもしれませんが。」
前言撤回
しっかり治しましょう。
*面会謝絶継続中
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経過
面会謝絶だった我が愚弟、意識を取り戻しました。
一応面会謝絶も解け、会えるようになりました。
別に会いたくないけど。
世間的に見て薄情だろうと思い、親と一緒に病室へ。
野郎、普通に飯食ってやがった。
洒落にならん峠を越えた直後の男が、普通に和食のメニュー食ってた。
頭蓋骨を取り外しての手術を受けた直後とは思えません。
もう一度、頭を殴ってやろうかと思いました。
後遺症は後々でるかもらしいですが、関係ありません。
今殺ります。
もう俺から見ればこれからの弟の入院は、
ヤク抜きにしか見えません。
*ご心配かけました
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後遺症
原付で華麗に空を舞い、頭から着地した弟。
意識も戻り、一般病棟で過ごしています。
心配されていた後遺症ですが、出ました。
軽度の記憶障害ですが、事故当時の事と、もう一つ忘れた事があるようです。
兄の事を忘れたようです。
別にいいけどね。忘れられてもあまり会う事はないし。一応生きてるから。
というか俺にとっては、とても都合がいいです。
全てを忘れたようなので、これから色々とやる事があります。
過去について騙してやろうと思います。
*もうかなり元気です。
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不思議体験
昨夜、寝苦しくなって目が覚めた。
最近は初体験が多いなぁ。初めて体験しちゃいました。
金縛りを。
凄いもんだね、全く体が動かないよ。
瞼も開かない。しかも、何かがこの狭い部屋に佇んでるのが分かる。
あまり心霊現象は信じていない俺。
金縛りなんて脳の機能がまだ起きていないから起こるもの。
とにかく目を開けようと挑戦。
やっぱり信じる事にします。
見てしまいました。います。やっぱりいます。
立ってこっちを見ています。
愚弟が。
弟に恐怖を感じたのは、包丁で刺されそうになった時以来です。
でもね、何故俺の前に現れる?
お前は今、記憶喪失だろう!
塩まいときました。
注:生きてます。
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寝起き
このクソ暑い中、皆さんいかがお過ごしでしょうか?
連日の熱帯夜で、寝られない人も多いのでは。
俺はクーラーが付いているので快適に寝られる。
昨夜も良く寝られました。
しかも今朝はいつにも増して寝起きは爽快でした。
何故か?それには秘密があります。
地震でもないのに本棚が倒れてきました。
あやうく圧死するところでした。
*そろそろ本気で、弟を仕留めようかと思います。
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記憶
事故って記憶障害中の愚弟。退院し、最近は自宅で生活しています。
やる事もなく、暇そうに家でゴロゴロしている。
弟の記憶障害は一時的で、しかも限定的なものらしく、
日常生活には支障はないようです。
しかし最近になって少しずつその記憶も戻ってきているようです。
弟の無くした記憶は、事故当時の事と、俺に関してだけです。
どうやら事故当時の事はかなりの精度で思い出したようですが、
俺に関しては全く思い出せないようです。
どうやら意地でも思い出したくないようです。
事故よりも思い出したくない存在って一体。
実は、俺も一度原付で事故ったことがあります。
あれはもう二年も前、免許を取って一ヶ月位の頃だったろうか。
俺は夜、親戚にもらったスクーターで走っていた。
バイトの帰りで、見たいTVでもあったのか、かなりのスピードを出していた。
俺の親戚はスピード狂なので、スクーターのリミッターは外されていて、
かなりの速度が出るようになっていた。
メーターを遥かに越えたスピードだ。
もうすぐ自宅に帰れるという地点で雨が降り始め、
しかもフルフェイスを被っていたので視界が悪くなった。
そして気が付くと曲がり角。
ブレーキをかけるも、メーターは60までしか下がらなかった。
正面は壁、激突すれば即死でしょう。
飛び降りました。
ゴロゴロと何回も転がり、何とか助かった。
スタントマンみたいでかっこい〜♪
なんて一瞬思ったけれど、スクーターは大破。
呆然と見ていたら、どうやらガソリンが漏れ出したようです。
俺の原付は二週間で燃えました。
俺はかすり傷だったのに。
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復活
夏休みになり、確実に睡眠時間が長くなっている。
暑い時は寝ているのが自然な人間のあり方だ。
そう、とあるテレビでやっていたのでまぁいいけれど、
俺の場合はその寝方に問題があると思う。
簡単に言うと、「食っちゃ寝」というやつだ。
いつもゴロゴロ、ゲームやってPCイジッてゴロゴロ。
太ってきました。
現在73kg越えました。
このままでは浪人直後の体重に戻ってしまいそうです。
そろそろ落とさないとやばいかも。
こんな事を思いつつも、なかなか実行出来ない今日この頃。
昼間も寝、夜中も寝ています。
昨夜、俺が気持ちよく寝ていると、弟の部屋から声が聞こえてきました。
愚弟「あぁ〜!!」
またいいのがキマッタんでしょうか。叫んでます。
いきなり弟は、俺の部屋に乱入してきました。
愚弟「思い出したぞこの野郎!」
そう言いながらいきなり俺を殴りました。
理解出来ません。
とりあえず強制的にうずくまってもらい、話を聞いてみました。
どうやら弟は叫びどおりに、記憶を全て思い出したようです。
しかし、思い出したというだけで弟に殴られる俺。
一体奴の目にはどう映っているのか・・・。
けれどいきなり殴ってきたのは許せなかったので、
もう一度忘れさせようと思い、行動に移しました。
どうやらそれは無理だったようです。
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たこ焼
事故で記憶をなくしながらも、最近復活した愚弟。
奴の生前の事故前からのバイトはたこ焼き屋だ。
最近普通に動けるようになり、復帰すると息巻いている。
この弟だが、事故ってから家から出る事も出来ず暇をもてあましていたからか、
昨日親に頼んでPS2を買ってもらってきた。もちろん自分の金でだ。
予算の都合上、ソフトは一本だけしか買えなかったが、満足している模様。
バイトにはまだ復帰していないので、全財産を投資したらしい。
バイクは大破したのでこれからは足がないのだが、
「バイト復帰したらすぐに新車買う金が貯まるさ!」と言っている。
しかし、俺は奴に秘密にしている事がある。
もう二年も働き、慣れ親しんでいる弟のバイト先のたこ焼屋。
手に馴染んだ調理道具。
油の汚れで真っ黒になった鉄板。
復帰しようと一生懸命に怪我と戦う弟。
そして俺の持つ秘密。
俺はまだ言わない。
弟が事故に遭い、闘病生活の間に、
たこ焼き屋が潰れたなんて!
いつ言おうかな〜?
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幼少期
昨日ちょっと思い出した事件がある。いや、大した事じゃないんだけどね。
保育園の時の話、俺と弟は叔母さんの家に預けられ、近くの保育園に通っていた。
別に虐待を受けていたからとかじゃなく、単に親の仕事が忙しかったからだ。
ある日、保育園の帰り。
その日も叔母さんの運転するワンボックスカーに俺達兄弟は乗っていた。
当時の俺たち兄弟は何故か、その車の座席の後ろ、
普通の車ならトランクのある部分、荷物を置くスペースに乗りたがる習性を持っていた。
そのすぐ後ろには、上に向かって開くドアがある。
その日は弟が「おばちゃん、後ろに乗っていい?」と言い、
座席を乗り越えて後ろの荷物置きのスペースに向かって行った。
しばらくそのまま走っていた。
俺はふと後ろが気になった。
振り返った俺。
ドアが開き、弟が落ちるところだった。
子供の体って柔らかいね。
なんかエグイ角度に首が曲がり、
ゴロゴロ転がってるんです。
俺は叔母さんに言った。
「ねぇ、タカ(←弟)が道路に落ちたよ。」
最初信じなかった叔母さん。
振り返ると転がるのをやめた弟が車に向かって一生懸命に走ってくる。
交差点の真ん中で。
青信号だったが叔母さんは車を止め、弟を回収。
何故か怪我もなく、無事だった。
ほっとしたのも束の間、また何かが気になり丘の上を見た。
パトカーがきました。
パトロール中に偶然だったものの、青信号で停まったので罰金。
酷い話だ。事故直後なのに5000円もとられていた。
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疲れました
タイトル通りです。さすがに疲れました。
一週間もの野宿はやはり緊張したんでしょう。
ところで、昨日自宅の門の前にやっとの思いでたどり着いた時、
久しぶりに弟のタカとすれ違いました。どうやら久しぶりに帰っていたようです。
しかしお互い一言も声を掛けませんでした。
そういう関係なんです。
すぐにバイクで何処かへ去って行きましたが、さして気にせず自室に向かう。
その部屋の前に、何かが置いてありました。
どうやら俺の部屋の蛍光灯のようです。
普段は平和に天井に下がっているハズの物が、何故外されているのか?
この疑問は解けそうも無かったので、部屋に入りました。
蛍光灯が下がっていた場所に、何があったと思います?
輪ッかの付いたロープが下がってました。
……野郎。
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