バス停でバスを待つ 屋根が雨を少しだけ防いでいるが
すぐ目の前に水たまりがたまっている 屋根は狭くうしろはない
俺の横で ふたりの女子高生もバスを待つ
バスは満員だ 次のに乗ろう
しかし女子校生はどうしても乗りたいらしい
ちょっと、行っちゃう
ああ、もう!
俺の前後に目をやって ついには俺をにらみだす
きみたちの輝くまつ毛が守ってくれるよ
チャパツは水を弾くのだ
こころのなか よろづ コトノハカッター投げつけた
彼女たちに傷をつけたか知らないが
そのうち一枚を口にくわえ
一人がバスにジャンプした 後ろ足がずるっといったぞ
あはれ じょしこうせい 水たまりに吸い込まれた
次の日も雨だった
同じ場所の水たまりに にわかに湧きたつアブクのあとで
静かに浮かぶ三つ編みの少女は 俺に向かって息を吹いた
プッと飛んだ緑の葉っぱが 俺の首筋を引き裂いた
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