更新するたびに何故か毎回「これで最後でしょ?」と聞かれる
ボディビルダー育成講座ですが、まだまだ続きます。
第六回は減量についてです。
まず、ボディビルには『オフ』と『オン』がある事を説明します。
オフとは大会出場予定の無い期間の事を言い、主にバルク
アップ(バルク=筋肉)を目的とした期間です。
対するオンは、大会出場の為に準備する期間。主に減量や
ポージングの練習期間となります。
選手によりその期間の対比は異なり、大会を数多くこなして
いる選手は、初出場の選手に比べ、オンの期間が短くなります。
これは両者の体質の違いによって顕れる相違ですが、これに
ついては今回は書きません。
さて、減量期間にやる事は五つあります。
- トレーニングに用いる重量、回数、セット数の変更
- 食事制限
- 有酸素運動
- タンニング(日焼け)
- ポージング練習
そして、このポージング練習を除いた四つの減量手段は、
全てカットを出すためのものです。
カットとは体の各所に出る線の事で、分かりやすい例を挙げる
なら、あの割れる腹筋などでしょうか。
勿論減量は腹筋以外のカットも目標としています。以前などは
臀部にまでカットが入っている強烈な人がおり、悪夢でした。
筋肉と筋肉の境目には小さな溝があり、減量はそのカットを
目立つようにする作業です。
オフの時あまり目立たない理由は、その溝に余計な脂肪が
覆って目立ちにくくする為で、減量はその脂肪を除去する事が
最優先事項となります。
脂肪を取る方法としては、前述の1.2.3.の方法があり、
最初にまず行うのは1と2です。
トレーニングに関してはオフ時は以前説明した通りですが、
オンに入ると変更点がいくつか出てきます。
先ほども書いたように、オフはバルクアップ。オンはカットを
出す事が目的です。
重量重視のトレーニングから、回数重視のトレーニングへと
移行します。
これは回数を増やす事により筋肉の発熱を促し脂肪を燃焼
させます。 他にポージングには普段意識しない筋肉の動きを
強いられるものが多々ある為、神経に意識を集中する事により
間接的にではありますが、ポージングの練習になります。
そして食事制限。ボディビルの食事制限はハードです。
まず
砂糖と油の使用は一切認められません。これから食べても良い
もののみを、表に表します。
炭水化物
食品名 |
一単位あたりの量 |
白米 |
二分の一合 |
パスタ |
100g |
サツマイモ |
50g |
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たん白質
食品名 |
一単位あたりの量 |
鳥ササミ |
100g |
マグロ(赤身) |
100g |
イカ |
80g |
エビ |
100g |
ホタテ |
100g |
卵白 |
6個分 |
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一日炭水化物7単位。たん白質5単位で約2400calを摂取
します。 2400というと多すぎると思われるかもしれませんが、
実際はオフの時に摂取されているカロリーを考えると、十分な
食事制限と言えます。
一部表に不正確な所もあるかも知れませんが、これは一定に
保つ事の方が重要ですので、それほど問題ありません。
また、野菜類はどれだけ摂っても結構です。
これを約半年続けるのですが、重要なのは一ヶ月に体重の
5%以上の減量をしない事。これはリバウンドが大きくなる為で
あり、これ以上の減量は筋肉を落とすだけにります。
ある程度の期間続けると体重が落ちなくなる場合があります。
その場合は単位数を1、2日間に2単位ずつ増やし、また元に
戻します。
変化をつける事によってまた体重が変動するようになります。
一時上がるかもしれませんが、気にしないように。
これを何回か実行しても体重が増えなくなった時、3の有酸素
運動を実行します。
毎日30〜60分間のエアロバイクやウォーキング。これに
よって脂肪を燃焼させます。
これを有効に行うには実行中にも水分を多量に摂取し、また
有酸素運動直前にカフェインを取ることも効果を高めます。
あとは日焼けとポージングの練習をするだけです。
かなり厳しいメニューですが、頑張って下さい。めまいや立ち
くらみは気にしないようにしましょう。 また、これ以上の過度
の減量をして死亡した選手もいますので、無理はしないように。
追記:減量中は小さな筋肉の鍛錬をとことんやりましょう。
脂肪の燃焼を早め、カットが出易くなります。
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