ガキンチョたちがあつまって
世界平和や人類の進歩について考えたという
むしろ大人たちより真剣な討議がおこなわれたのだとゆう
正直のつかないバカであるがゆえ
まず当面の脅威をオニババァとよぶ提案がされ
満場一致で可決された
しかし、その後の会議は紛糾した
ある者はオニババァの目を盗んで小遣いを拝借する方法を
ある者はオニババァから受けた迫害のつらさを
ある者はオニババァの涙を
ある者はオニババァを廃絶する世界規約を
コえたかくサけびウッたえた
いっこうにまとまらない議論に頭をかかえ
ベソをかきジダンダを踏んで
キレる者があらわれたころ
会場のすみで小さな反乱がおきた
われわれは、われわれの現在直面している危機が
じつはオニババァなんかではなく
もっと別の何かなのだと諸君らに警告したい
それは諸君ひとりひとりに由来する
何物にもかえがたい、あのクーフクなのである!
われわれにパンを! ジュースを! フルーチェを!
オニババァと戦うために、ひとカケラのチョコレートを!
反乱を先導したガキンチョもやがて大人になり
ハイ・ウェイをはしるときは
チャイニーズのヒッチハイカーでも乗せてやったりして
お返しにいろんな言葉を教わると上機嫌になった
オハヨウ コンニチワ アリガトウ それから ハッコオイチウ
おおくは意味がわからないまま
なかにはベッドで使えるものもまじっていた
たとえば ha koo ichiu なんて
ササやいても、ササヤかれても、よかった
夫婦はハッコオイチウを夜の合言葉にせっせと産み励んだ
生まれた赤ん坊は乳母の乳首をカミキリ
父の遺影に灰をなげつけるウツケモノだった
Gunで住みよいクニづくりをかかげたものの
KATANAのシェアにはかなわずハラキリした
ウツケモノの一生はイダイな作家のワープロにかかり
13.4%のひとに一時的な感動を与える英雄になった
モミアゲを長く伸ばした肖像画が話題を呼び
4時間30分まちの行列が毎日あさはやくからできた
3部構成の映画が製作され
公開されるたびにロングランをつづけ
身体機能が低下した年寄りもなんとなく見にいった
留学生もホームステイ先の家族になんとなく見せられた
そして14世、
おまえの主人もダメ人間なりになんとなく見にいったんだ
映画も、
小説も、
肖像画も、
マンガもアニメもプラモデルもシタジキもなんとなくそろえた
なんとなくおまえの主人は大きなあこがれをもった
とうとうおまえにウツケモノの名前をつけた
遠すぎてねじれてぼやけたあこがれを
おまえといっしょになんとなく飼いならしたかった
気がついてみると
14世の名前は
おぼえきれないほど長くなっていた
主人がダメ人間であるがゆえ
14世は旅に出て、
おんざ・ろーどでひとやすみ
笛吹き男に連れられて
ガキンチョたちが行進してた
一番うしろのおとこのこが
何度もふりかえっているうちに
はぐれ とりのこされて迷子になってしまった
14世のネームプレートがチョコレートそっくりだったゆえ
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